おかんのなんでも日記(ウェールズの話が多い)

ウェールズ在住、フッと思ったことを書くだけのブログ

母の言葉

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大好きだった母が80歳で先月の9月になくなりました。

 

その日は、イギリス時間の夜で、

私は珍しく父と母の夢を見て夜中に起きました。

その後、胸がドキドキして眠れなくなったので、

きっと何かあったな。。と思い、ますます眠れなくなって

トイレに行きました。

 

その後も、眠れないのでごろごろ横になっていたら、

いつもなら絶対に聞こえることのない、LINEでの電話がなりました。

 

「ああ、、母に何かがあったんだな」

 

と思い、でんわに出ると、いとこからで、

 

病院から電話があり、父が病院に行く準備をしているとのことでした。

 

母は20年前にクモ膜下出血で倒れ、奇跡的に回復した後、

10年くらい前から物忘れが激しくなり、父がずっと介護をしていたのですが、

8月の半ばに意識不明で倒れて病院に入っていたのです。

 

私は9月に入ってから帰国しようとチケットを買っていたので、

電話があってすぐにフライトを変えて、そのあとは眠れぬまま

またベットでゴロゴロしていました。

 

 

なんだか息苦しくて眠れず、うとうとしていたら、

ふっと急にすううーーーっと身体が楽になったのです。

 

「ああ。母は逝ったんだな。。」

 

時計を見たら、イギリスの時間で午前5時45分でした。

 

しばらくたって、またLINEで電話があり、

母の死を聞き、死亡時刻は

日本時間で午後1時48分。。イギリス時間で午前5時48分でした。

 

愛する人と遠く離れている人は、わかると思いますが、

 

私は、母とは

身体的にいつも離れているので、心はいつも繋がっているような気がしていました。

 

でも、今回は不思議なことに、

私の体がすうっと楽になった時間 午前5時45分から

母がスッポンと私の心に入ってきたような気がしています。

体と心が繋がった気分なんです。

 

面白いですね。

 

 

母は、私にはもったいないくらいの、本当にいい母でした。

自分の母を、このように話すのもなんですが、性格も人柄も母親としても、妻としても、娘としても素晴らしい人でした。

 

最後の7年間くらいは、認知症のようになってしまいましたが、それでも昔のままの明るさと面白さはそのままで、私の子供達と一緒にとぼけたり、冗談を言ったりしてあそんでいました。私の子供達は認知症になってからの母しか知らないと思いますが、母のことが大好きでした。

 

 

子供の時の私は、(今もですが)はちゃめちゃな子供で、

学校の先生と喧嘩しては、授業がまだあるのに、よく一人で家に帰ってきたものでした。

 

母は、いつも

 

「あーらどうしたの?」

 

と私の話を聞いてくれて、

 

「それなら、しょうがないわね。でも、学校の先生には謝っておくから

今日はいいけど、明日は学校に行きなさいね。」

 

と言ってくれました。

 

 

「私はいい子ちゃんだったのに、なんであなたみたいな子供が生まれたのかしらねー」

 

と言うので、

 

「ごめんね」

 

と言うと、

 

「何言ってるの、、私はあなたが生まれてきてくれたから、やっと色々な子供の気持ちがわかるようになったのよ。

先生をやっていた時には、あなたみたいな子が苦手だったんだけど、今はあなたみたいな子の気持ちがすごくわかるし、大好きなのよ。

人間が大きくなった気分だわ。あなたのおかげよ。うふふふふふふふ」

 

と笑いながら言ってくれた。

 

 

それでも、、爆

 

真面目でしっかりもので頭のいい私の弟と話した後は、

 

「どーして、こーなっちゃったのかしらーー??同じように育てたのに。。」

 

と言ってましたが。。爆

 

 

 

最後に、ヤマハでピアノの先生をしていた時に雑誌の取材で

 

「お子さんの音楽指導上、お母様方へ何かご注文はありませんか?」

 

と聞かれた時に母が話したことを書きます。これを読むたびに、

 

「母も私を育てている時に、こう思っていたのかなーー」と思うのですが、(苦笑)

 

きっと、子育て中のお母さんの役に立つ言葉だと思います。

(注 (取材者が授業を見た後のインタビュー)

 

 

「どのお子さんも、みんな立派な音楽の芽を持っているものです。それを、

ちょうど良い時期に、正しく培ってやれば、みんな立派に芽を出して、生長し、

美しい花を咲かせてくれるのです。だから、焦ることは禁物です。先生から何か聞かれた時、もじもじしているのをもどかしがって、お母さんがそばから教えたり、お家でむりに教え込んだり、熱心になりすぎて、かえって若芽をしぼませるようなことはしないようにしていただきたいと思います。

 

先ほど、元気いっぱいに勉強していたお子様のひとりは、入学してから3、4ヶ月間は全然反応がありませんでした。それがふとしたきっかけから、今まで表に出ていなかった芽が出て、ぐんぐん伸び始め、皆さんに追いついてしまいました。

私は、つくづく、焦ってはいけない、失望してはいけない、いつかきっと芽は出てくるものだと感じるようになりました。」

 

 

 

 

母は今、大好きなピアノを弾きまくって歌を歌いまくっているに違いないと思います。

 

 

最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。